監修:齋木啓子 先生

麻しん(はしか) とは?原因と症状を知ってしっかり予防しよう

麻しん(はしか)がどのような病気なのかご存知ですか?麻しんは、感染力が強く、集団で一気に広まりやすいのが特徴です。また、重症化すると合併症のリスクも高まります。平成27年に、日本は麻しんの排除状態にあると認定されていますが、その後も海外からの輸入例を発端として、集団発生する事例が出ています。この記事では、麻しんの原因や治療法、予防接種について説明します。

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麻疹(はしか)とは

麻疹(はしか)とは、麻疹ウイルスによる感染症の一つで、感染力がとても強いことが特徴です。免疫をもっていない人が感染するとほとんどの確率で発症します。

また合併症を起こしやすく、重症化してしまうこともあります。重症化したことによる致死率も高く、日本でも麻疹により死亡する子供もいるほど怖い病気の一つです。

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麻疹(はしか)の症状

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麻疹(はしか)は感染してもすぐに症状が出ず、潜伏期間が10日前後あります。10日前後の潜伏期を経た後に、前駆期(カタル期)、発疹期、回復期とそれぞれ症状に変化があります。

前駆期(カタル期)

38度前後の発熱、咳や鼻水、目ヤニといった症状が2~4日続きます。その後、いったん熱が弱まります。

発疹が出現する2日前頃にみられるのが、コプリック斑と呼ばれる頬の粘膜に出る白い斑点です。このコプリック斑が確認されると、麻しんと診断されます。

発疹期

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一旦熱が落ち着いてから半日後位に高熱(多くは39.5度以上)になります。同時に耳介後部・頚部・前額部から顔面・体幹部・上腕に向かって赤い発疹が現れ始めます。2~3日で全身に広がります。

咳こみなどの症状も強くなり、全身状態がひどくつらい時期がこの発疹期です。

回復期

発疹期が終わると、次第に熱も下がり回復に向かいます。発疹は退色するものの、すぐには消えず、色素沈着がしばらく残ります。しかし、最終的には痕を残すことなく消えていきます。

発疹出現後4~5日目くらいまでは感染力が残っているので、熱が下がって3日経過してから登園、登校することが学校保健法により定められています。

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麻しんの治療法

麻しんの治療法は対症療法です。3~5日続く発疹期の後、熱が下がって完治します。

麻しんに対して家庭でできる対応としては、水分を十分に与えたり子供が少しでも快適に過ごせるように温度調節をしたりすることです。

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麻しんで起こりうる合併症

麻しんにかかり、症状が重症化すると以下のような合併症を引き起こしてしまう可能性があります。

  • 肺炎(ウイルス性、細菌性)
  • 脳炎
  • 中耳炎
  • 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

SSPEは、麻疹にかかった後平均7~10年で発症したのち徐々に進行し、死の転帰をとる進行性の予後不良疾患です。

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麻しんの予防法

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麻しんは、感染力が非常に強く、空気感染もするため、手洗いやマスクなどでは予防することができません。かかってしまっても、対症療法しかできないうえ、重篤な合併症のリスクもあるため予防接種を受けることが大切です。

現在は、麻しん単独の予防接種ではなく、MRという麻しん風しん混合ワクチンが使用されており、MRワクチン接種をすることで、95%以上がウイルスに対する免疫を得られると言われています。

日本では、1歳時の1回と小学校入学前1年間に1回、合わせて2回のワクチン接種を無料で受けられるようになっていますが、感染力の強さや症状の重篤さから、1歳を迎えたあとなるべく早く予防接種を受けることが望ましいとされています。

ワクチン接種で麻しんの合併症のリスクも大幅に減らすことができるので、子供には必ずワクチンを受けさせましょう。麻しんは大人もかかりますので、親がワクチン接種を受けていない場合は必ず受けるようにしましょう。

予防接種を受けていない年代がある

現在では2回の定期接種が行われていますが、過去には定期接種が1回のみの時期がありました。はしかワクチンは、1回の接種で免疫が付かない人が数%存在することがわかっています。

麻しんの予防接種が1回だったのは、昭和53年~平成17年までで、対象は1歳~7歳半でした。この時期に生まれた方は、免疫が十分についていない可能性があります。

妊娠中に麻しんにかかると流産や早産を起こす可能性があるため、妊娠を望む場合は、ご自身とパートナーがワクチン接種を受けているかどうかを確認しましょう。妊娠前であればワクチン接種を受けることが可能ですが、接種後2ヶ月間は避妊をする必要があります。

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麻疹(はしか)は予防が大切

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麻しんウイルスは、感染力が非常に強く、免疫がない人が感染すると、ほとんどの人が発症すると言われています。また、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、ワクチンによる予防が重要です。

お子さんにしっかりと予防接種を受けさせることはもちろん、予防接種を1度しか受けていない年代の方はワクチンの接種を検討しましょう。

記事の監修

ふれあいファミリークリニック 院長

齋木啓子 先生

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