乳幼児とインフルエンザワクチン
毎冬たくさんの患者が出るインフルエンザ。幼稚園や保育園、学校などでも流行し、学級閉鎖や休校になる施設が後を絶ちません。親としては、できればわが子がインフルエンザにかからないよう予防してあげたいですね。
インフルエンザの予防といえば代表的なのが予防接種ですが、ワクチンを打ったとしても完全にインフルエンザの罹患を防げるわけではありません。インフルエンザワクチンは任意接種で、乳幼児にワクチンを打つかどうかは保護者の判断にゆだねられています。有効性や注意点について知った上で判断しましょう。
ワクチンの有効性は20~30%
1歳以上6歳未満の子供に関するインフルエンザワクチンの有効性は、約20~30%といわれています。ワクチンは生後6ヶ月から接種が可能ですが、日本小児科学会は、1歳未満の乳児に関しては他の年代と比べて接種対象数が少なく、有効性は確認されていないとしています。そのため、1歳未満の乳児に対する予防接種はすすめないとしている医療機関があります。
成人の場合、ワクチンの型と流行するウイルスの型が一致した場合は約60%の有効性があるといわれています。ワクチンの型と違うウイルスが流行した場合には、有効性は低くなりますが、大人の方が子供に比べてワクチンの効果が高いことは明らかです。乳児をもつ家庭では、パパやママがワクチンを打つことで、子供にインフルエンザウイルスを近づけないことが大切といえます。
卵アレルギーが影響する可能性
インフルエンザワクチンには、鶏卵由来の成分が含まれています。量はごく微量ですが、卵でアナフィラキシーショックを起こすほどの強いアレルギーがある子供や、アレルギーテストでスコア5以上の子供については、接種は慎重に判断する必要があります。万が一アレルギー反応が出た場合でも対応できる医療機関で、医師に十分相談したうえで接種するかどうか判断しましょう。
一般的には、卵の加工品を食べられる程度のアレルギーであればワクチンの接種を行える可能性が高いとされています。接種にあたってはかかりつけ医に相談してください。