5歳児に遊びを教えるねらい
子どもに遊びを教えるなら、成長や発達に役立つもののを教えてあげたいですよね。そこでまずは、5歳児に遊びを教えるねらいから確認していきましょう。
言語能力を高める
言語能力が高まる年齢である5歳児の遊びには、その能力をさらに高めるというねらいがあります。言葉を使う遊びはもちろん、お友達と遊ぶ中にも「言葉でコミュニケーションをとって遊ぶ」「対話をする」など、言語能力が高まる要素はたくさん詰まっているもの。
5歳児は遊びの中で言葉を使ったコミュニケーションをとることで、自然と言語能力を高めていくのですね。
- 厚生労働省「(PDF)保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
身体能力を高める
5歳児の遊びは身体能力を高めるためにも役立ちます。全身を使う外での運動遊びだけでなく、室内での製作遊びやおもちゃ遊びで指先の動きも習得。
心肺機能が高まり、手先が器用になるのが5歳のころなので、じょうずに遊びをすすめてあげるとぐんぐんと身体能力が高まっていきますよ。
- 厚生労働省「(PDF)保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
協調性・社会性を身に付ける
5歳時の遊びのねらいとして最後に紹介するのは、協調性や社会性を身につけるというもの。5歳児になるとグループ内で自分の役割を果たしたり、ルールを作ったり、自分の気持ちを相手に伝えたりできるようになります。
協調性や社会性は今後の小学校生活、そして大人になってからの社会生活でも必要不可欠な能力ですから、5歳児のころに遊びの中でしっかりと養ってあげてくださいね。
- 厚生労働省「(PDF)保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
5歳児にすすめたい遊び
5歳児の遊びにはたくさんのねらいがありましたね。それではそのねらいを達成するにはどのような遊びがおすすめなのでしょうか?5歳児にすすめたい遊びを運動遊び・室内遊びの両方から四つ紹介していきます。
5歳児が関心を示すもの
子どもは5歳になるとさまざまなものに関心を示すようになります。自分が関心を持つもので遊べれば、5歳児の好奇心をより高めてあげられますよね。
例えば自動車に興味のある5歳児であれば、自動車の図鑑や、自動車モチーフのおもちゃでの遊びが楽しいと感じるでしょうし、外で実際に自動車を見ることが遊びになります。
5歳児の成長を促してあげるためには、子どもが関心を持っているものに関する遊びがおすすめです。
お友達との遊び
お友達との遊びは協調性や社会性を身に着けていくためにとても大切です。積み木や砂場などでお友達と協力しあってひとつのものを作る遊びや、鬼ごっこ・警察ごっこなどルールを決めてグループで行う遊びの中で協調性や社会性は身についていきます。
1人で遊んでいたり、勉強をしていたりするだけでは人との関わり方を学べません。たまにはケンカをするかもしれませんが、ケンカと仲直りの過程で、自己主張や謝罪、思いやりなどの気持ちも養われていくでしょう。
保育園や幼稚園のお友達、近所の子どもなど、他の子どもと一緒に遊ぶことで集団の中で自分の役割を果たしたり、譲り合ったりする力を学ぶのです。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
- 香川県健康福祉部子ども政策推進局「(PDF)III 4歳児・5歳児の発達について」(https://kagawa-colorful.com/app-def/S-102/colorfulex/wp-content/uploads/tebiki0005.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
運動遊び
大きく成長して体つきもしっかりとしてくる5歳児は、運動遊びの中で身体能力をどんどん高めていきます。なわとびや鬼ごっこ、ボール遊びなどほとんどの運動遊びができるようになるので、積極的に外で遊ばせてあげることがおすすめ。
遊びの中で運動をすることによって、脚力・腕力・筋力・バランス感覚などが養われますが、競争意識が出てくる年齢なので、お友達と一緒に勝ち負けのある遊びも楽しめるようになります。
- 厚生労働省「4・5歳「運動遊び」」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/kosodate/katsudou_program/program/files/01_04.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
言葉遊び
5歳児の言語能力を高めるのに大きく役立つのが言葉遊びです。子どもが言葉の感覚を習得するには、音としての言葉の楽しさを感じることが大切だとされています。しりとりや数え歌、早口言葉など、言葉の音やリズムを楽しめる遊びが効果的です。
言語能力を高めるには、日常生活の中でできる限りたくさんの言葉と接することができる環境を作ってあげてください。日々の言葉遊びの中で多くの言葉に触れられれば、言語感覚や語彙力がしっかりと子どもの身につくはずですよ。
- うるま市「(PDF)幼児期に言葉の感覚を豊かにするための援助のあり方 」(https://www.city.uruma.lg.jp/userfiles/files/page/culture/1234/kuniyoshi.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
5歳児におすすめの屋外遊び3選
それでは、5歳児におすすめの遊びを3つご紹介していきます。外で活発に動くことが大好きな5歳の子におすすめの遊びを厳選しました!
手押し相撲
1対1で両手を押し合い、足が動いてしまったほうが負けという簡単なルールが5歳児でもわかりやすい運動遊びです。外でも室内でも楽しめる遊びで、保育園や幼稚園でお友達と遊ぶのにもピッタリ。基本の遊び方は次のとおりです。
- 2人の足元にそれぞれ線を引く
- つま先を線にそろえて2人が向かい合う
- 両手を合わせて強く押し合う
- 足が線から動いたほうが負け
パパママと一緒に遊ぶときは、膝をつくと遊びやすくなります。勝抜戦やチーム戦にすると、3人以上の人数でも楽しめますよ。
手で押しながら足を踏ん張らなければいけないので、腕力・脚力・バランス感覚が身につく上に、「押している手を引いてみる」という駆け引きも学べるので知能の発達にも役立つでしょう。
ストップ遊び
ボールを投げられるようになる5歳児にピッタリの外遊びです。まずは遊び方とルールを見ていきましょう。
- 1人が親となり他のプレイヤーは自分の番号を決める
- 円の中心にボールを置く
- プレイヤー全員が円の中に片足を入れる
- 親がプレイヤーの番号を言う
- 親に指名されたプレイヤー以外は逃げる
- 親に指名されたプレイヤーはボールを拾う
- ボールを拾ったプレイヤーは「ストップ」と言う
- 「ストップ」と言われたら他のプレイヤーは立ち止まる
- 親に指名されたプレイヤーは他のプレイヤーにボールを投げる
- ボールを投げられたら動かずボールを避ける
- ボールが当たったら負けで親となる
少しルールは複雑ですが、パパママがお手本を見せてあげれば、後はお友達同士だけでも遊べるようになるでしょう。ボールを投げる場所が決まっていないので、思った方向にボールが投げられなくても十分楽しめるところも5歳児向けのポイント。
ボール遊びの中で5歳児の脚力や腕力、反射神経などを鍛えることができます。人数が多いほうが楽しめるので、お友達と一緒に遊ぶときにおすすめです。
ドリブルキング
サッカーのドリブルを5歳児用にアレンジした外遊びです。もちろん、本物のボールを使っても構いませんが、タオルを2回くらい結んでボールを作ると、転がりすぎませんし当たっても安全です。
- タオルを2回結んでボールを作る
- 足だけを使って相手からボールを捕られないようにする
- ボールを捕られたら負け
- 次は勝ったほうがボールを捕られないようにする
サッカーに興味のある5歳児なら、とても喜んでくれる外遊びでしょう。2人でもできますし、3人以上でサッカーのように遊ぶこともできます。
片足でボールを操作するのでバランス感覚や脚力が鍛えられますし、集中力を高める効果も期待できそうですね。
5歳児におすすめの屋内遊び3選
次にご紹介するのは、5歳児におすすめの3つの屋内遊びです。天気が悪い日でも屋内で楽しく遊べれば、子どもが退屈してしまうこともありませんよ。
紙コップでロケット製作遊び
紙コップや輪ゴムなど、身近にあるもので飛ばせるロケットを製作する5歳児用の遊びです。5歳児になると手先も器用になるころなので、「製作が大好き!」という子におすすめです!
【材料】
- 紙コップ2個
- 輪ゴム2本
【作り方】
- 切れ目の間が均等になるように紙コップの縁を1cmほど切る
- 輪ゴムに中央にもう1本の輪ゴムを通す
- 通した方の輪ゴムの中央に端を入れて2本の輪ゴムを連結させる
- 連結させた片方の輪ゴムを紙コップ左側にある2つの切れ目にかける
- もう片方の輪ゴムを紙コップ右側にある2つの切れ目にかける
- 輪ゴムをかけた紙コップを別の紙コップに重ねる
- 手を離すと紙コップロケット発射!
輪ゴムの連結が少し難しいですが、「どうやったらつなげられるのかな?」と考えることも5歳児にとっては学習のひとつ。簡単な材料で動く製作おもちゃが作れるので、保育園や幼稚園でも5歳児の室内遊びとしてよく取り入れられているそうです。
マット遊び
マット遊びは室内で簡単に楽しめるうえに、さまざまな動きができるバリエーション豊かな5歳児の運動遊びです。マットがあれば失敗したときの安全性も高いので、パパママも安心ですよね。
マットの上で前転や後転をするのが基本的な遊び方ですが、上手にできる5歳児なら、マットの上にコースを準備して前転・後転でレースをしても楽しめます。
また、パパママが片膝をついて子どもの背中を太ももの上にのせてあげると、バック転もさせてあげられますよ!太ももを支点としたブリッジの姿勢から、子どもの両膝裏に片手を添えながら後方にぐるっと回してあげてください。(周りの環境を考慮して十分安全な場所で行ってください)
言葉探しゲーム
ひらがなの五十音を組み合わせて単語を作るという言葉遊びゲームは、知能が発達してくる5歳児の遊びとしてピッタリ。トイレットペーパーの芯でスタンプする楽しさがあるので、製作段階から楽しんでもらえるでしょう。
【材料】
- トイレットペーパーの芯
- 画用紙
【作り方】
- 好きな色の絵の具を用意する
- トイレットペーパーの芯の円に絵の具をつける
- 画用紙に50個スタンプする
- 絵の具を乾かしたら画用紙を丸く切る
- ひとつひとつの画用紙に「あ」~「ん」までのひらがなを書く
- ひらがなを探し出して好きな単語を作る
「ひらがなを探す」「単語を作る」という2つのステップで、5歳児の知能発達をサポートさせられる遊びです。言葉が得意な子であれば、「動物の名前」「花の名前」などジャンルを限定すれば、より高レベルな遊びになりますよ。
子どもが遊ぶおもちゃは成長を考えたものがおすすめ
外遊びや身近なところにあるものを使った遊びも良いですが、おもちゃがあるとより5歳児の遊びも楽しいものになりますよね。子どもにおもちゃをプレゼントするなら、年齢と成長にあわせたものを選んであげましょう。
4歳児と5歳児では、できることも関心のあることも全く違う…ということも少なくありません。子どもは遊びの中で学習していくものです。5歳児の遊びに役立つおもちゃをプレゼントするなら、心と身体の成長を促せるようなおもちゃを選んでください。
今回の記事でご紹介したように、5歳児はお友達と一緒に遊ぶための協調性があり、さまざまなものに関心を持ち、身体能力もグッと高まってくることが特徴。5歳児の特徴を把握したうえで、心と身体の成長に役立つような遊びを教えてあげましょう。
ただし、すべての子が同じように成長するわけではありません。言葉遊びは得意だけど運動は少し苦手など、子どもによって得手不得手もあります。子どもの成長度合いをよく観察して、その子自身の成長度合いで楽しめるおもちゃをプレゼントすることがいちばんです。
5歳児の遊びは「成長を促す」ことがポイント!
4歳のときに比べて、身体能力・知能・社会性が一気に高まる5歳児には、さらなる成長を促すための遊びがおすすめ。今回の記事では5歳児に適した運動遊びと、保育園、幼稚園でも楽しめる室内遊びをご紹介しましたが、いずれも5歳児のさまざまな能力を高められる遊びばかりです。
「5歳児にどんな遊びがいいのかわからない…」と悩んでいるパパママは、ご紹介した6つの遊びを参考にしながら、楽しく学べる遊びを教えてあげてください。そしておもちゃを選ぶときには、5歳児の特徴を参考にしながら、その子の成長度合いにあったおもちゃを選びましょう。
夢中になって遊んでいるうちに、きっと子どもの成長が感じられるようになるはずです!