年長の男の子と女の子の特徴
年長さんにおすすめの習い事は、男の子と女の子で違います。まずは、年長さんの男の子と女の子の特徴について見ていきましょう。
年長さんの男の子の特徴
年長さんの男の子の特徴は、一人で身の回りのことができるようになってきて、中には反抗期を迎える子もいることです。これまでの「かわいい」イメージではなくて、「かっこいい」男として見られたいという気持ちが高まってくるので、今までの感覚で「かわいい」と言うとすねてしまうことも。
体もだんだんとしっかりとしてきて、女の子との性別の違いがわかってくるようになるのが年長さん。男の子としての自覚が芽生えてくる年代なのですね。
年長さんの女の子の特徴
続いて年長さんの女の子の特徴は、おませになる子もいて大人の女性のマネをし始めることが特徴。男の子と同じで、女の子としての自覚が芽生えてくる年代です。
年長さんの女の子は、かわいいものやきれいなもの、おしゃれなものが大好きで、いろんなことに好奇心を持ち始めます。「やってみたい!」と思うことがたくさん増えてくるので、習い事を始めるのにはぴったりの年齢でしょう。
年長さんにおすすめの習い事
それでは、年長さんの男の子・女の子の特徴を踏まえたうえで、おすすめの習い事をジャンル別にご紹介していきます。習い事にかかる月謝の目安もご紹介しますので、おすすめポイントとあわせて比較しながら選んでくださいね。
学習系の習い事
年長さんにおすすめの学習系習い事を三つご紹介します。
英会話
年長さんの学習系習い事で人気なのは英会話。2018年から先行実施されていた「小学校英語教育改革」は、2020年度から全面的に実施されることになりました。
小学校から英語を学習することになる年長さん。「小学校に上がる前に英語を学ばせてあげたい」と考えるパパママはとても多いようです。
より小さい子どものほうが英語を覚えやすいと言われていますが、下記のように、3~4歳よりも5~6歳の子のほうが英語を覚えやすかったという研究結果も報告されています。
3,4歳児よりも,5,6歳児の方が,より大きな音韻的短期記憶の容量を持つため,与えられた音声を音韻的短期記憶に保持しつつ,音声を分析し,適切な発話運動を制御することに優れていると考えられる。 ※1
- 月謝目安:5,000~20,000円程度
- 文部科学省「外国語教育」(https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/index.htm#c,2022年4月19日最終閲覧)
サイエンス教室
プログラミング授業でも役立つ、科学的で論理的な思考を養うのにおすすめの習い事はサイエンス教室です。理科の実験を通して、科学を学んでいくことを目的としています。
実験で観察や考察をする学習は、机に向かって教科書を広げるよりもワクワクするので、子どもも楽しみながら自然科学を肌で学習できるはず。それらの発表をする場を設けている教室もあるので、人前で論理的に話をする能力も鍛えられるでしょう。
- 月謝目安:10,000円程度
そろばん
実際に使う機会は少なくなりましたが、いまだに5歳ごろからの男の子・女の子の習い事として根強い人気を誇るのがそろばんです。そろばんは集中力・暗算能力を高めるだけでなく、右脳開発にも効果的だとされています。
そろばんの未経験者は暗算中に集中的に左脳を使うのに対して、熟練者は左脳と右脳がバランス良く働くという報告もあり、脳をバランスよく鍛えるためには最適な習い事だと言えそうですね。
- 月謝目安:4,000~12,000円程度
- 外務省「(PDF)平成 26 年度政府開発援助海外経済協力事業(本邦技術活用等途上国支援推進事業)委託費「ニーズ調査」」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000074661.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
- 人間環境学研究「発達障害のキャリア支援についての提言」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/shes/12/2/12_145/_pdf,2022年4月19日最終閲覧)
- 日本珠算連盟「よくある質問(教室編)」(http://www.shuzan.jp/kyoshitsu/faq/02/,2022年4月19日最終閲覧)
プログラミング教室
少し前までは考えられなかったことですが、2020年から小学校の授業でもプログラミング教育を行うようになり、小さな子どもがコンピューターを扱うことも珍しくなくなりました。
キッズ向けのプログラミング教室は、未就学児から通わせることができるところもあり、年齢によって内容は異なりますが、ゲームやアプリのプログラミングの基礎を学ぶことができます。
プログラミングを学ぶことで、論理的な思考が身に付きやすくなり、想像力や想像力が育まれることが期待できます。小学校に上がる前に触れておくことで、授業にもついていきやすくなり、子どもの自信につながるでしょう。
- ・月謝目安:5,000~11,000円程度
習字
習字は昔からある習い事のひとつで、教室ではお手本を見ながら正しい書き順で美しい文字が書けるように練習します。習字というと毛筆が思い浮かびますが、鉛筆やペンなどを使用することもあります。
習字を習うことにより、手書きの文字がきれいに書けるようになり、学校の授業などでも好印象を与えることにつながります。子どものころに習字を習っていると、大人になってもきれいに字を書く習慣が身についているので、さまざまな場面で役立つでしょう。
また、正座をしてきちんとした姿勢で練習に臨むことで姿勢がよくなり、集中力が鍛えられるなど、精神面でもメリットのある習い事です。
- 月謝目安:3,000~5,000円程度
運動系の習い事
続いては強い体と精神力を養える運動系の習い事を見ていきましょう。
スイミング
運動系の習い事として、男の子にも女の子にもおすすめなのがスイミング。全身運動であるスイミングには、子どもの体力や筋力を育てる効果があると報告されているので、しっかりとした体に育てたい、運動のできる子どもに育てたいと考えているならおすすめの習い事です。
- 月謝の目安:5,000~10,000円程度
1996 年から 2012 年に着目した場合,地域のスイミングクラブ所属は 9・10 歳児の体力低下の抑制,および筋機能の向上に貢献していることが示唆された。 ※2
こちらの資料は9~10歳の子どもを対象にしていますが、年長さんでも同様の効果が期待できるのではないでしょうか。特に好きなスポーツがない子どもに運動系の習い事をさせるなら、全身を動かせるスイミングをおすすめします。
ダンス
最近になり年長さんの習い事として人気が高まっているのがダンスです。平成24年度から中学校でのダンスが必修科目になり、一般的な運動として認知度が高まりましたよね。
実際に音楽にあわせて体を動かすダンスは、年長さんにとってとても楽しい運動となるはずです。リズム感や持久力、体の柔らかさなど運動の基礎となる能力だけでなく、グループダンスなら協調性やコミュニケーション能力の向上も期待できるでしょう。
- 月謝目安:5,000~10,000円
- 文部科学省「新学習指導要領に基づく中学校向け「ダンス」リーフレット」(https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/jyujitsu/1306098.htm,2022年4月19日最終閲覧)
体操
ダンスと同じく、運動基礎能力を高めるための習い事として大人気なのが体操ですよね。
年長さんくらいの年齢の子どもは、動くタイミングや力をコントロールする運動能力が向上しやすいので、助走をつけてタイミングよく踏み切る跳び箱や、力のコントロールが必要となる鉄棒などを教えてもらえる体操教室はピッタリですよ。
- 月謝目安:5,000~8,000円
サッカー
男の子からの人気も高いスポーツ・サッカー。サッカーは11人でチームを組み、広いフィールド内でひとつのボールを追いかける球技なので、仲間内での意思疎通が必要で協調性も重要になります。
広いフィールド内を走り回り、ボールを足で扱うので足腰の鍛錬にもなり、基礎的な運動能力だけでなく、俊敏力や持久力が高まることも期待できます。
ゲームではチームメイトとコミュニケーションを取る場面も増えるので、積極性や協調性を養える習い事と言えるでしょう。
- 月謝目安:5,000~8,000円程度
空手
伝統的な文化としても歴史のある空手は、相手と対戦する武道でもありますが、一人で演じる「型」の稽古をすることで、バランスよく筋肉をつける全身運動としての一面もあります。
対戦相手と打撃を与えあうことでケガをする心配もあるかもしれませんが、健康維持のために空手を習う人も少なくありません。
また、礼節を重んじる空手を習うことにより、忍耐力や協調性を養い、体だけでなく精神面での鍛錬による成長も望めます。
- 月謝目安:3,000~5,000円程度
- 空手を始めたい方へ 「JKA 公益社団法人日本空手協会」(https://www.jka.or.jp/beginner/,2023年8月15日最終閲覧)
芸術系の習い事
最後に芸術系でおすすめの習い事も三つ紹介します。
ピアノ・音楽教室
芸術系の習い事で年長さんから人気なのはピアノ教室です。楽器の演奏ではなく音楽に触れさせることが目的なら、音階を学んだり歌を歌ったりする音楽教室もおすすめ。
ピアノは、指先を細かく動かす必要があり、右と左で違う複雑な動きが必要です。練習と重ねてひけるようになる達成感も味わえます。さらに、楽譜が読めるようになると小学校の音楽の授業がスムーズに取り組めるため、小学校入学前にピアノなどを習うのはおすすめです。
- 月謝目安:ピアノ教室が5,000~10,000円程度。音楽教室が5,000円前後
リトミック
ピアノと並んで年長さんの習い事として高い人気を誇るリトミック。リトミックは音楽とダンスを組み合わせたような習い事ですが、その真の目的は潜在的な基礎能力を育み、豊かな人格を形成することです。
音楽にあわせて楽しみながら、年齢別のカリキュラムで人としてより良く生きるために必要な能力を高めるリトミック。5歳児のカリキュラムなら、ふたつのことを同時に行う能力や集中力・積極性・思考力・行動表現力を養えます。
- 月謝目安:3,000~8,000円程度
- リトミック研究センター「リトミックとは」(https://www.eurhythmics.or.jp/whats/,2022年4月19日最終閲覧)
- リトミック研究センター「レッスンについて」(https://www.eurhythmics.or.jp/search/courses.html,2022年4月19日最終閲覧)
絵画教室
芸術系の習い事には音楽教室だけでなく、絵画を教えてくれる教室もあることをご存知でしょうか?お絵かきが好きな5歳の男の子・女の子なら喜んで通ってくれる習い事でしょう。
絵画教室では絵の具を使って大きな絵を描いたり、絵の描き方の基本を教わったりします。習い事の中で物をとらえるセンスや創造力・発想力が鍛えられるので、子どもの感性を豊かにするために役立つ習い事ですよ。
- 月謝目安:5,000円程度
年長さんの習い事選びと取り組みのポイント
年長さんにおすすめの習い事を3つご紹介しましたが、子どもにあった習い事を選ぶためには、選び方のポイントと取り組み方についても知っておきたいですよね。それでは、子どもにあった習い事を選び、積極的に取り組んでもらうにはどうするべきなのでしょうか。
年長さんの習い事を選ぶときのポイント
年長さんで習い事を選ぶときのポイントは、子どもがやりたいことをいちばんに考えることが大切。
パパママが「習わせたい」と思う習い事もあると思います。しかし、子どもにとって興味のある習い事でなければ、集中できず、なかなか身につかなかったり嫌になってしまったりすることも…。男の子・女の子の特徴の違いも踏まえたうえで、子どもが関心を持っていることを学ばせてあげてくださいね。
5歳の男の子の習い事を選ぶには?
5歳の男の子の習い事を選ぶなら、男の子らしさが発揮できる習い事がおすすめ。最初にお話したように、「かっこいい」という言葉に敏感な年長さん。全身を強くできるスイミングだけではなく、サッカーや空手など、男の子に人気の習い事をさせてみてはいかがでしょうか。
5歳の女の子の習い事を選ぶには?
5歳の女の子の習い事を選ぶときは、ママが子どものころに習っていたり、お友達が習っていたりする習い事を勧めてみるのも良いですよ。女の子はママやお友達と同じことをしたがる傾向があるので、積極的に取り組んでくれるかもしれません。また、ピアノ・お習字・バレエ・体操は女の子から根強い人気を集める習い事です。
年長さんの習い事はいくつにするべき?
年長さんで習い事をさせるなら、いくつも同時に習わせるのではなく、多くても3つまでに抑えておきましょう。習い事を3つ以上にすると、それぞれへの子どもの興味が薄れてしまうので、すべてがなかなか上達しなくなる可能性も。
まずは習い事を1つ選んで、子どもが楽しんでいるようならもう1つ増やす…という風に、子どもの負担にならないよう調整してあげましょう。
習い事への取り組み方は?
習い事に積極的に取り組んでもらうためには、教室だけでなく、お家でのフォローも大切です。子どもはパパママに褒められると、がぜんやる気が湧いてくるもの。習い事から帰ってきたらお家で習ったことを振り返り、うまくできたらたっぷりと褒めてあげてください。
そうすれば子どもは習い事へのやる気が起きますし、パパママも安心できるうえに、親子のコミュニケーションも図れます。
子どもが楽しく習い事を続けられるようにするには
せっかく始めた習い事ですから、年長さんの子どもが楽しく続けられるようにしてあげたいですよね。楽しく習い事を続けられるようにするためには、次のようなポイントに気をつけながら優しく見守ってあげましょう。
目標を達成する喜びを与えてあげる
子どもが習い事に慣れてきたら、目標を達成する喜びを与えてあげるようにすると楽しく続けられるでしょう。年長さんではまだ自分で目標を設定できない子もいるでしょうから、パパママが「次はどんなことができるようになりたい?」「なにを目標にしようか?」と、目標を設定するように促してあげるといいですね。
無理な目標ではなく、子どもが頑張ればすぐに達成できそうな目標にすることが大切。子どもが目標を達成できたら、少し大げさなくらいに褒めてあげることが楽しく習い事を続けてもらうポイントです!
子どもの気持ちに寄り添ったサポートをする
頑張って習い事を続けている子どもには、子どもの気持ちに寄り添ったサポートをしてあげてください。褒められて伸びる子もいれば、反骨精神で頑張る子も。子どもの性格はそれぞれですが、表情や行動をよく見ながら、子どもの気持ちに寄り添って必要なサポートを見極めましょう。
たとえ練習を少しさぼってしまっても、習い事を続けているだけでもすごいことです。子どものやる気が起きるよう、上手に応援してあげてくださいね。
「やめたい」と言い出したら理由を聞いてあげて
習い事を続けていると、子どもが「やめたい」と言い出すことは少なくありません。習い事をやめたいと言い出したら、ちゃんと理由を聞いてあげることがいちばん大切。
ありがちな落とし穴は、理由を聞いてあげているつもりで、説得になってしまうということです。子どもが言う理由に対して、理由を打ち消すような説得をして子どもを納得させようとすると、子どもの中にある「やめたい」という気持ちは消えません。
年長さんではまだ、うまく理由を説明できないこともありますよね。子どもの言葉の裏にある「本当の気持ち」に気づいてあげるようにしましょう。本当の気持ちがわかったら、子どもに共感してあげて、「やめたい」という気持ちを解消できるよう安心できる声掛けをすることがポイントですよ。
年長さんの習い事は「子どものやりたいこと」を考えて
年長さんのうちから通える習い事は意外とたくさんあることに驚かれるかもしれません。
習い事を早いうちに始めれば身に付きやすいですし、小学校に上がってからも続けられそうなら、資格を取得したり将来的に仕事に活かしたりといったことにもつながるかもしれませんね。
おすすめの習い事もいろいろありますが、どんな習い事をさせるにも無理は禁物で、一番大切なことは子どもがやりたいことを習わせることです。
楽しみながら習うことなら上達もしやすいですし、毎日の生活にもハリが出て、習い事を通じた友だちができるなどたくさんのメリットがあります。
途中で投げ出したくなることもあるかもしれませんが、どんなことに興味があるのか一緒に確かめながら、わが子にぴったりの習い事を探してあげてくださいね。