母乳は保存できるの?
搾乳して母乳を一旦保存し、後から与える―。育児書などで見たことがあるママも多いのではないでしょうか?けれど実際にしてる人っているの?、してるママはどうやってるの?、やり方がイマイチわからないというママも多いのではないでしょうか。
母乳は赤ちゃんにとって最適・最高の栄養を含んでおり、また大切な免疫物質も含まれているため赤ちゃんにとってまさにパーフェクト食。しかし、ママと母乳はセットであり長時間赤ちゃんと離れることは難しいと思われがちです。
ママが病気になってお薬を飲む必要があるとき、仕事復帰などで保育園に預けるとき、息抜きに美容院や買い物に行きたいとき、そんなときでも保存した母乳があるととても便利です。母乳保存をはじめてみませんか?
実践!母乳保存術
母乳保存は冷凍保存、冷蔵保存、室温保存の3つがあります。どの保存術を使う場合も、
- 搾乳する前に必ず手を洗って清潔にする
- 哺乳瓶やプラスチック製食品保存容器、母乳専用バッグなど密閉できる容器を使用する
- 哺乳瓶やプラスチック製食品保存容器などを使う場合は消毒する
という3点は徹底しましょう。では、母乳の保存術とあげ方をご紹介します!
母乳が多めに出ているのであれば時間のあるときに保存用の母乳を作っておくと、風邪などをひいてしまって辛いときなどに保存しておいた母乳を飲ませることができるのでとっても便利ですよ。
夜など母乳がたまり過ぎて辛いママも絞ったものは、捨てずに保存しておくといざというときに使えますよね。
冷蔵保存:短期保存に最適!解凍する手間なし
それではまず短期間の保存に向いている冷蔵保存について説明します。例えばもうおっぱいが張って大変なのに子供が寝ちゃってなかなか起きない。そんなときには冷蔵保存が向いているかもしれません。
母乳は家庭用冷蔵庫で24時間まで保存できます。使わなかった場合、搾乳した当日であれば冷凍保存することが可能です。冷蔵保存用の哺乳瓶キャップなども売っているので冷蔵する方はそのような商品を買うのも良いでしょう。

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哺乳瓶につけることのできる冷蔵保存専用キャップです。お湯に触れず湯せんすることができるように、キャップの上には湯せん用指かけ穴もあります。
湯せんをかけたあと、キャップ部分をそのま哺乳瓶用乳首に変えればすぐに飲ませることができます。こちらの商品のメーカーは冷蔵保存期間は24時間を推奨しています。
飲ませ方
冷蔵庫から取り出し、お風呂くらいの温度のぬるま湯で37度未満のひと肌程度に温めてください。脂肪分が分離している場合は、軽く振ってから飲ませてください。
熱湯や電子レンジは母乳の組織を変質させたり破壊してしまったりで、決して使用しないでください。
冷凍保存:長期保存に最適!
では次に長期の保存に向いている冷凍保存について説明します!こちらは赤ちゃんの飲む量とおっぱいの出る量が合わず、おっぱいが余ってしまって困る。そんなママにはぴったりの保存法です。
ピジョンの母乳フリーザーパックを使用した場合、母乳は冷凍庫で3ヶ月ほど保存できます。しかし、扉の開閉により温度差を保つことができないこともあるので、古いものから順番に早めに使っていきましょう。冷凍するときの保存は、母乳用フリーザーパックがおすすめです。

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母乳を解凍して哺乳瓶に移し替えるときに、パック内側に指が触れず衛生性が保てるように工夫された構造をしています。
日付・容量の記入をできるシールも付いています。パックには4ml、80ml、160mlと容量別に売られているようで、サイズをチェックしてから購入してくださいね。
飲ませ方
使用する前夜に冷蔵庫へ移して解凍し、飲ませる直前にぬるま湯でひと肌程度に温めます。または、流水で解凍してからぬるま湯で温める方法もあります。
解凍した母乳は再冷凍せず、余った場合は破棄してください。こちらも電子レンジや熱湯での解凍は、母乳の成分が変わってしまうので絶対に使用してはいけません。
室温保存:なるべくすぐにあげましょう
夏などの気温が高いときを除き、搾乳してから4時間ほど室温25度以下なら保存できるようです。しかし、温度管理など衛生面で心配な面もあるため、30分以内に使用しない場合は冷蔵か冷凍保存することをおすすめします。
- ユニ・チャーム他「完全栄養食(かんぜんえいようしょく)」ベビータウン(http://www.babytown.jp/jiten/milk/001.html)
- ユニ・チャーム他「母乳育児を成功させるために 知っておきたいミルクのこと(1)」プレママタウン(https://www.premama.jp/osusume/junbi/osusume/011/index.html)
- ピジョン「さく乳した母乳を保存したいのですが、どうしたらよいですか?」ピジョン(https://support.pigeon.co.jp/faq/index-20.html)
- 千葉県「子育てQ&A -乳児編-」ちばっ子育て(http://wwwp.pref.chiba.lg.jp/pbkmp/kosodate-chiba/q&a/nyuuji/q&a_nyuuji.html)
母乳保存体験談
では実際に搾乳し、母乳保存術を活用したママはどう感じたのでしょうか?便利だった?難しかった?ママの率直な感想をまとめました。
体験談①:母乳保存パックが大活躍
現在1歳半の息子を、仕事をしながら母乳育児で育てました。その間、かなり活用したのが母乳の冷凍保存です!薬局やベビ-用品のお店に行くと保存パックが容量「100mlか200ml」の量で売っているので、お子様の1回に飲む量を参考にしながら購入します。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
普段から使用している哺乳瓶や、清潔なプラスチック製食品保存容器を使っても全く問題はありませんが、母乳専用の冷凍保存パックは簡単かつ衛生的に母乳を保存することができるのでとてもおすすめです。
例えば、母乳を入れる時に手で触れたヘッダー部分を切り取るようにデザインされていて、滅菌状態を保てるものや母乳を容器に入れやすいデザインになっているものもあり、いざ使ってみると驚きの使いやすさです。
搾乳前はかさばることもないので、職場などで搾乳しなければならないママにとってはとても便利です。
体験談②:保育所からNGが!
私の場合、保育所からNGが出ました。理由は、衛生面の心配、お湯で暖めたりと(ミルクに比べ)手間がかかる、の2点。
ただ、回りに成功した方もいます。その人は、会社の託児所に預け、時間になったらそこで直接お乳をあげてました。衛生的だし、手間もかかりませんし。
ま、何にせよ職場の理解がないと、絶対に出来ませんよね… 出典: komachi.yomiuri.co.jp
仕事復帰するけど、母乳で育てたい!というママも多いはず。しかし保育園によっては衛生面の配慮や、ミルクの方が扱いやすいという理由で受け入れてもらえない場合もあります。
預ける家族や施設の理解と協力が必要不可欠です。自分の育児方針を納得してもらえるよう話し合いを持ったり、なるべく簡単に授乳できるよう便利グッズを使うなど工夫したりすると預ける人にとってもやりやすいかもしれません。
体験談③:職場の冷凍庫に保冷剤を挟んで急速冷凍!
産休のみでフルタイム時短なしの仕事に復帰しました。認可には入れず、30以上申し込んでようやく入園できた認証はあっさり冷凍母乳を受け入れてくれました(認証のほうが値段は高いけれども商業ベースのサービスが受けられるようですね)。
(中略)
上司や職場には相談せず、トイレで搾乳しています(ウォッシュレット用の電源使用)。席をたって戻るまで20分ほど。トイレ個室占領時間は10分ほど。朝8時から夜7時までいる会社で、3~4回。給湯室の冷蔵庫の冷凍庫に保冷材ではさんで急速冷凍、帰りに保育園へ。
1歳までこれを続け、保育園からそろそろ母乳なしでもお腹足りてるので、とやんわり言われ、冷凍母乳を渡すのはやめました。 出典: komachi.yomiuri.co.jp
このように職場でも数回搾乳して冷凍して頑張っているママさんもいます。たとえミルクと母乳の混合になってしまっても、やっぱり赤ちゃんにとって最高の栄養を含んでいる母乳をあげ続けたいですよね。
もしできる環境が整っているのであれば、ぜひトライしてみて下さいね。
もうおっぱいを無駄にしない!
母乳が出すぎてしまうけど赤ちゃんが飲んでくれずおっぱいが張ってつらい、仕事や用事があって赤ちゃんを預けなければならない、そんなときは搾乳して母乳を保存することができます。
飲ませられないから、泣く泣く絞って捨てるなんてことをしなくてもいいのです。美容院などで数時間外出するときでも、ママがいなくてもパパにお願いして母乳を飲ませることができます。
なかなか赤ちゃんと長時間離れられない母乳育児、搾乳して保存することでママの行動の選択肢が少しでも増えるといいですね。