離乳食中期はいつから始める?
離乳食中期へ移行する目安は、生後7~8か月からとされています。
ただし、子どもの成長や発達によって離乳食中期の開始時期は変わりますので、離乳食があまり食べられなかったり、ポタージュ状のすりつぶした食べ物がうまく飲み込めなかったりする子どもであれば、初期期間を長めにしたほうがよいでしょう。
離乳食中期に食べさせる食べ物は、舌で押しつぶせる程度の硬さのものです。少し粒が残る離乳食でも、自分の舌でつぶしながら食べられるようになることが目安なのですね。
「いつから離乳食中期」と明確な区切りをつけるのではなく、子どもの食事の様子を見て、問題ないと思える時期がタイミングだと言えます。
- 厚生労働省「II 離乳食編」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
- 和光堂「離乳中期 7~8か月頃の離乳食の進め方の目安」(https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/my1_2.html,2022年5月19日最終閲覧)
離乳食中期の食事の基本・進め方
これから離乳食中期へ移行しようと考えている方に向け、進め方について紹介していきます。中期に食べるおかゆやおかずの量、手づかみ食べについてなど、中期における離乳食の基本を見ていきましょう。
離乳食中期に食べられる食事の量
まずは、離乳食中期に食べられる食事量の目安についてです。離乳食中期で1回に食べるおかゆと野菜の目安量は次のようになります。
●ごはん:全がゆ50~80g
●野菜・果物:20~30g
●魚:10~15g
●肉:10~15g
●豆腐:30~40g
●卵:卵黄1個~全卵1/3個
●乳製品:50~70g ※1
離乳食中期のおかゆと野菜の目安量は上記の通りで、さらに魚・肉・豆腐・卵・乳製品の中からいずれか一つを次のような目安量で食べさせるようにしてください。
離乳食中期の食事量は1日2回です。離乳食初期の食事量と比べると2倍以上になるので、ミルクでおなかいっぱいになりすぎないよう、離乳食後にミルクを飲ませてあげるようにすると良いですね。
離乳食とミルクのバランス
一つ前の項目でお話したように、ミルクだけでおなかがいっぱいにならないよう、離乳食中期には食事とミルクのバランスを取ることがとても大切です。
離乳食中期の離乳食は、基本的にミルクタイムの前に食べさせましょう。ミルクは1日の授乳リズムに合わせて1日3回飲ませます。
食前のミルクはおなかがいっぱいになるので避けるべきですが、食後のミルクは子どもが飲みたいだけ飲ませてあげて大丈夫です。
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(https://www.mhlw.go.jp/content/000640086.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
- 会津若松市「離乳食をはじめましょう(初期食)」(https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2018060700035/,2022年5月19日最終閲覧)
- 佐倉市「離乳食のすすめ方の目安」(http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000026/26601/rinyuushokususumekata2.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
離乳食中期における調理のポイント
中期の離乳食では「舌で押しつぶせる程度の硬さ」が理想で、目安は食材を豆腐くらいの硬さにすることです。
離乳食初期よりも少し水分量を減らす調理法で、やわらかくゆでた後みじん切りにしたり、粗くつぶしたりしたものを使いましょう。ポタージュ状ではなく少し粒が残る程度の食材を使うことがポイントですよ。
もし食材が大きすぎて飲み込みにくいようであれば、片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。調味料はまだほとんど必要なく、しょうゆや塩は使わず素材の味を大切にしながら離乳食を作ってください。
手づかみ食べはさせたほうがいいの?
離乳食を本格的に手づかみ食べしたがるのは離乳食後期からなので、中期では大人がスプーンで与えてあげるだけでよいでしょう。
ただし、中期でも離乳食を手づかみ食べしたがるなら、それを止める必要もありません。食事への関心が高い子どもであれば、自分で手づかみ食べできるようつかみやすい離乳食を作ってあげてくださいね。
食物アレルギーへの注意点
離乳食中期に入ると初期より食べられる食材が増えてきますが、食べられるものが増えてくると心配になるのが食物アレルギーですよね。特に、食物アレルギーが出やすい次のような食材を初めて食べさせるときは、いつも以上に慎重になることが大切です。
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
- 甲殻類
- 果物
上記の食材は、食物アレルギーが出やすい食材TOP5です。鶏卵・小麦・果物は離乳食中期に使うことができる食材なので、小さじ1杯の量から始め、2~3日間は同じ食材を与えながら子どもの体調を観察し、大丈夫そうであれば量を増やしていくようにしてください。
- 厚生労働省「第4章 食物アレルギー」(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
- 独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック2014」(https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/pdf/archives_24514.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
離乳食中期から食べられる食材
離乳食中期には初期よりも食べられる食材が増えるとお話しましたが、具体的にどのような食材を食べられるようになるのでしょうか。
一般的に離乳食中期から食べられるとされている食材は次のとおりなので、チェックして今後の離乳食調理法を考えてみてくださいね。
- うどん
- そうめん
- 鶏肉(脂肪分の少ないササミ肉)
- ひきわり納豆
- 全卵
- 赤身魚
- 無糖プレーンヨーグルト
離乳食中期から食べられるようになる食材は増え、麺類や脂肪分の少ない魚や鶏肉に加え、納豆や無糖のプレーンヨーグルトも食べられるようになります。
ただし、離乳食初期に全卵を食べたことがない場合は、卵白にアレルギー反応を示す「鶏卵アレルギー」への注意も必要です。全卵を与える際には病院を受診できる時間帯に、ごく少量ずつ食べさせます。
また、赤身魚は白身魚を食べ慣れてから、全卵は卵黄1個を食べきれるようになってから食べさせてあげるようにしてください。離乳食中期の食材に進むのは、初期の食材がほぼ食べられるようになってからにしましょう。
- 国立研究開発法人国立成育医療研究センター「「卵黄」を食べて数時間後に嘔吐などを繰り返す赤ちゃんは注意 ―食物アレルギーとは異なり、食物蛋白誘発胃腸炎では「卵黄」が原因にー」(https://www.ncchd.go.jp/press/2020/20201015.html,2022年5月19日最終閲覧)
- 厚生労働省「第4章 食物アレルギー」(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf,2022年5月19日最終閲覧)
離乳食中期の食材ストックや作り置きの方法
離乳食中期に入ると1日2食になるので、初期よりも手間が増えてしまいます。離乳食中期の食材をストックしたり、作り置きしたりできれば…と考えるママは、冷凍保存を利用してみてはいかがでしょうか。
離乳食は1週間程度なら冷凍保存することもできます。ただし、調理前は手や調理器具、冷凍保存のための容器を念入りに消毒するようにしてください。離乳食中期の食事を冷凍保存でストックする方法は、通常通りに保存容器に入れて冷凍するだけ。
冷蔵保存でもストックすることはできますが、安心して子どもに食べさせるためには2日間が限度です。
離乳食についての記事をもっと読みたい方は、下記よりごらんください。
離乳食中期におすすめの料理
使える食材が増えて調理の幅も広がる離乳食中期。今までは食べられなかったものも食べられるようになると思うと、「いろいろな料理を食べさせてあげたい」と思うのではないでしょうか?
そこでここからは、離乳食中期のおすすめの料理を紹介していきますね。ママたちの体験談も交えながら、それぞれの料理のレシピとともに離乳食として調理するためのポイントも解説するので、ぜひ毎日の離乳食づくりの参考にしてください。
おやき
まずは離乳食中期から食べられる定番料理であるおやき。手づかみ食べもしやすいので、離乳食中期から完了期まで長く活躍してくれるメニューです。
- ジャガイモやカボチャをゆでてつぶす
- つぶした野菜に豆腐と片栗粉を少し入れてなじませる
- 成形して弱火でじっくりと両面を焼いたら完成
野菜だけでもよいですが、豆腐を入れればたんぱく質が摂取できます。シラスやかつお節を入れると、味のバリエーションも広がりますよ。
ただ「離乳食中期からと言っても、どのタイミングで食べさせ始めればよいの?」と悩むママもいらっしゃるようですね。
おやきはつかみやすいので、「手づかみ食べのチャンスがきたとき」がちょうどよいタイミングのようです。食べさせるなら、離乳食中期の後半くらいを目安としてくださいね。
また、おやきにはどんなレパートリーがあるのでしょうか?ママたちのレシピをみてみましょう。
ひと口におやきと言っても、使う食材によっていろいろなバリエーションがあることがわかりますね。その他、カボチャと豆腐を使う優しい味付けのおやきレシピも紹介されていました。
離乳食中期から手づかみで食べたがる子どもにもピッタリのメニューです。
いずれも離乳食中期から食べられる食材ばかりなので、安心してバリエーション豊富なおやきを作ってみてください。
シチュー
離乳食中期になるとシチューも食べさせられることをご存じでしょうか?粉ミルクや離乳食用のホワイトソース、豆乳などを使えば、大人食のような本格的な見た目のシチューが完成します。
- ニンジンやカボチャ、玉ねぎ、ブロッコリーなどの野菜を細かく切る
- 野菜とスキムミルクや牛乳を容器に入れて電子レンジで加熱する
- 水溶き片栗粉でとろみをつける
- さらに少し加熱して混ぜたら完成
離乳食用のだしやスープのもとを使ってもおいしく作れますよ。ただ離乳食期の子どもにとっては野菜のダシだけでもとてもおいしい食べ物のようで、ママリには「黙々と食べていた」という声も寄せられていました。
シチューにそれぞれ食べやすいサイズに切った人参、じゃがいも、玉ねぎ、ほうれん草(葉の部分)を入れて野菜摂取させています。
とろみをつけてあげたら黙々と食べてました!
離乳食中期のレシピにお困りのママはぜひ試してみてくださいね。
おかゆ
離乳食中期になると、少しずつ固さのあるおかゆが食べられるようになります。ただ「どんな風に固さを出せばよいの?」と悩むママもいらっしゃるようで…。
離乳食のお手本通りにしようとしても、詳しいやり方がわからないときもありますよね。他のママたちはそれぞれの方法で子どもの様子を見ながら工夫していたようです。
いろいろな方法を試してみて子どもの様子を見ながら、よく食べる固さを見つけてあげましょう。
離乳食中期のママの悩みについて
慣れない離乳食に悩みを抱えるママは少なくありませんが、中期に入ると一体どのような悩みを抱えるものなのでしょうか?ここからは、離乳食中期へと移行するママに向けて、参考として先輩ママが抱いた悩みをご紹介していきますね。
離乳食中期に炊き込みごはんは食べられる?つぶしたほうがいいの?
離乳食中期に炊き込みごはんを作ったものの、ニンジンが思ったほどやわらかくならず、子どもが食べにくそうにしていたという先輩ママからの悩みです。
この悩みに対しての回答は次のとおりでした。
回答を見ると、細かくみじん切りしても思ったよりやわらかくならない場合、食べやすくするためにもおかゆモードで炊いた後で、ある程度つぶしてあげたほうがよいですね。
離乳食中期に入ってからおかゆを食べてくれない…
離乳食初期のころはパクパク食べてくれていたおかゆ。なぜか離乳食中期に入ってから食べてくれない…という悩みを抱えているママもいるようです。
食事の内容が変わると拒否反応を示す子どももいますが、先輩ママたちは一体どのように対処したのでしょうか?
離乳食中期なら、まだ母乳やミルクで栄養を補ってあげられる時期。食べてくれないとイライラしてしまうよりは、全部食べてくれなくてもよいかなと思うほうがママも子どもも楽になれますよね。
ただ、やっぱり食べてほしい…というママには、10倍がゆに戻してみることもおすすめのようです。
確かに、離乳食中期に入ってからおかゆを食べてくれないということは、子どもにとっては10倍がゆのほうが好みだったということかもしれません。
子どもの成長と向き合っていると前に進むことばかりを考えがちですが、たまには振り返って、戻ってみることで解決策が見えてくることもありますよ。
離乳食中期へは子どもの成長にあわせて移行を
離乳食を始めると、「中期にはいつから移行するべきなの?」とそわそわしてしまうママもいることでしょう。
しかし、子どもの成長は一人一人違います。子どもが食べられる量や食材をよく観察してあげて、離乳食中期へと進むべきタイミングを判断してあげることが大切ですよ。
離乳食中期に入ると食事の回数が増えて、献立を考えるのも大変になることも…。紹介したおかゆやおやきのレシピ、作りおき・ストックも活用しながら、ママも子どもも楽しみながら離乳食を進めていけるとよいですね。