1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 新生児・乳児の病気・トラブル
  4. 新生児・乳児の病気の基礎知識
  5. 【医療監修】赤ちゃんの臍ヘルニアとは?症状や治療法と手術の必要性

監修:齋木啓子

【医療監修】赤ちゃんの臍ヘルニアとは?症状や治療法と手術の必要性

臍(さい)ヘルニアは一般的に言われている「でべそ」のことで、赤ちゃんには5~10人に一人の割合で見られるものです。ひどくなると直径3cm以上になることがありますが、臍ヘルニアは特に害はありませんし、多くは成長するにつれて自然と治っていくものです。しかし、自然に治癒しないケースもあり、手術が必要になることもあります。

PIXTA

赤ちゃんの臍(さい)ヘルニアとは?

臍ヘルニアとは、いわゆる「でべそ」のことを指します。出産後すぐにへその緒を切りますが、生まれて間もないときには、まだおへその真下の筋肉が完全に閉じていないために、泣くなどしておなかに力が加わると筋肉のすきまから腸が飛び出して「でべそ」状態になるのです。

臍ヘルニアは、1歳から2歳までに90%は自然治癒が期待できるといわれています。しかし、治癒しないこともありますし、治癒したとしても皮膚のたるみが生じ「でべそ」のような状態になってしまうこともあります。

そのため、経過観察をせずに早い段階から治療を開始し、必要に応じて手術が行われます。

出典元:

臍ヘルニアの治療法

臍 新生児 PIXTA

臍ヘルニアは自然に治っていくこともありますが、腸が出てこなくなったとしても、皮膚のたるみが生じて「でべそ」のようになってしまうこともあります。

そのため、早い段階から専用のスポンジとテープを使用して治療することがあります。

スポンジ圧迫法

スポンジ圧迫法は、その名の通り、スポンジでおへそを圧迫しテープでとめて固定します。腸が飛び出してくることを防ぐと同時に、皮膚のたるみを防ぐというものです。

この方法は、開始時期が早ければ早いほど治癒までの時間が短くなると言われており、生後2ヶ月ごろから始めれば3ヶ月程度の治療期間で治療できるという点がメリットです。また、皮膚のたるみを防ぐため、治療後もきれいなおへそになるでしょう。

しかし、自宅でテープの張り替えを行う必要があるため、家族が慣れるまで負担がかかります。また、テープで固定するため、赤ちゃんのデリケートな皮膚が赤くなるなどのデメリットもあります。なかには、皮膚炎によって圧迫法が継続できないこともあるようです。

2歳以降は手術をする場合も

小児科 PIXTA

上記の圧迫法をしても治らない、または圧迫法を行わずに経過観察を行い、2歳までに症状が治まらない場合には、手術を勧められることがあります。

ヘルニア門と呼ばれる、腸が飛び出してしまう部分を閉鎖し、おへそのくぼみを作るように縫合をする手術です。おへその中で切るため、傷は残りません。

出典元:

お子さんが臍ヘルニアだった方の体験談

ママ 複数 PIXTA

実際に、お子さんが臍ヘルニアを経験した方の体験談をご紹介します。自宅での処置などを参考にしつつ、主治医の指示に従って対応してくださいね。

圧迫するためにテープやら貼るとかぶれたり、膿んだり他のトラブルが増えるだけだからと自然に引っ込むのを待ってと言われました!結局は腹筋が付いて穴が塞がらないと治らないと。3ヶ月くらいの時はこのままだったらどうしようと悩みましたが、気づくと引っ込んで普通のおへそになってました‼︎
ママリ|ママの一歩を支える、女性限定Q&Aアプリ
私の息子も臍ヘルニアで、病院で早いうちに治したほうが、きれいになりやすいよ〜と言われたので、治療しました。
ただ、暖かい季節だったし、まだ生後2カ月くらいで肌も弱い時だったので、お腹がかなりかぶれました。
それでもなんとか続けて、6カ月くらいには、きれいなおへそになりました。
ママリ|ママの一歩を支える、女性限定Q&Aアプリ
1歳半検診の時に保健師さんにお臍が出てると指摘され、総合病院へ紹介状を書かれました。総合病院で診てもらった結果、やはり臍ヘルニアでした。翌月日帰り手術をして今は可愛いお臍になりました
ママリ|ママの一歩を支える、女性限定Q&Aアプリ

これらの体験談をみても、経過観察をして自然と治る場合もあれば、圧迫療法や手術などをして治療する場合もあり、病院によって治療方針が異なることがうかがえます。

ご家族がどのように治療をしたいかしっかりと話し合って対応したいですね。

臍ヘルニアは経過をみつつ受診を

待合室 PIXTA

臍ヘルニアは、赤ちゃんにはよくあることですし、命に関わることではありません。しかし、そのまま放っておくと周りの人からからかわれる対象になる可能性もあり、お子さん自身が嫌な思いをするかもしれません。

多くは自然治癒するため焦って治療する必要はありませんが、早期に治療を開始するとそれだけ早く治癒する可能性があるとも言われています。

自然治癒するのを待つか、早い時期から治療をするかは、納得するまで医師と相談して決めましょう。

記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

おすすめ記事

「臍ヘルニア」 についてもっと詳しく知る

話題の記事

出典元一覧

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

カテゴリー一覧