赤ちゃんの歯磨きはいつから始める?
子どもの歯は、生後6か月~生後9か月くらいになると下の歯から少しずつ生えてきます。歯が1本でも生えてきたら歯磨きを開始するのが望ましいですが、急に始めると「口の中に異物が入ってきた」と、赤ちゃんがびっくりしたり怖がったり嫌がったりといった拒否反応を示すことがあります。そのため、歯が生える前から「歯磨きをするための準備」を少しずつ行うのが理想的です。
歯が生える前から歯磨きの練習を
歯が生える前の準備として、赤ちゃんの口の周りを手で触ったり、手のひら全体でやさしく頬(ほお)を触ったり、人差し指のはらの部分で唇の周りを触ったりといったことをして、口の周りに手で触れられることに慣れさせることが大切です。
実際には歯が生え始めてから歯磨きをしますが、その前から口の周りに触れられることに慣れさせておけば、赤ちゃんの歯磨きへの抵抗が少なくなるかもしれません。
慣れてきたら、ガーゼで口の中を軽くぬぐうなど徐々にステップアップをしていきましょう。赤ちゃんが嫌がったときは無理に続行はせず、機嫌のよいときを見計らって再チャレンジをすることも大切です。
- グレイス歯科・矯正歯科「赤ちゃんの歯磨き、いつから始める?どうやって進める?」(https://www.grace-dentalclinic.com/brushing-teeth-for-baby/,2020年10月23日最終閲覧)
- 東京都保健所「乳幼児の歯みがきステップフッ化物利用チャート」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamakodaira/shikahoken/shikahoken.files/hamigaki1.pdf,2020年10月23日最終閲覧)
- 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」(http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq02.html#faq_b0101,2020年10月23日最終閲覧)
歯磨きの方法とタイミング
歯が生えてきたら歯磨きをスタートさせましょう。始めは子どもの口の周りにやさしく触れてみたり、ガーゼで口の中をぬぐってみたり、子どもが嫌がらない範囲で挑戦してみます。
赤ちゃんの様子をみながら徐々に歯ブラシでの歯磨きに進めましょう。実際に歯磨きを開始するにあたって、歯磨きの仕方や姿勢・タイミングについてご紹介します。
歯磨きの姿勢と方法
歯磨きの姿勢は、赤ちゃんをあお向けにした状態で親のひざの上に頭を乗せる「寝かせみがき」で行いましょう。この姿勢にすることで、赤ちゃんの口の中がよく見えるようになります。
歯磨きは以下のような方法で行いましょう。
- 口の中をよく観察し、初めのうちはぬらしたガーゼや綿棒を使ってやさしく洗浄する
- 乳幼児用の歯ブラシを使い、1~2回くらいを目安に歯に触れる練習を始める
- 歯を1本ずつ丁寧に磨く
毎回ガーゼを濡らすのが面倒な場合は、市販されている「歯磨きシート」を購入するのもおすすめです。慣れてきたらお気に入りのキャラクターの歯ブラシを使って、子どもの興味をひくのもよいでしょう。
歯ブラシで歯を磨くときは、力の入れすぎに注意します。磨く時間が長いと赤ちゃんが飽きてきて歯磨きが嫌いになってしまうこともあるため、1本の歯につき5秒程度を目安に磨きあげましょう。
上唇をめくると、ミルクを飲んだときのカスが残っていることがあります。汚れが残っているようでしたらぬれたガーゼで拭って汚れを取ってあげましょう。
歯磨きのタイミング
歯磨きに慣れることを目標としている場合は、赤ちゃんの様子を見つつ機嫌のよいときを見計らって歯磨きにチャレンジしてみましょう。
慣れてきたら毎食後に行うのが望ましいですが、まずは歯磨きを習慣化させることが大切なため最初のうちは1日1回夜寝る前を目安に行いましょう。
起きているときに比べて、寝ている間は唾液の分泌量が減少する傾向にあります。口の中でむし歯の原因となる菌が繁殖しやすくなるため、少なくとも寝る前の歯磨きは必須です。
歯磨きが終わった後に授乳をすることやジュースを与えるのは控えましょう。
- 米野木歯科「子供の歯みがきの仕方」(https://www.komenoki-dc.jp/子供の歯みがき/,2020年10月23日最終閲覧)
- 東京都保健所「乳幼児の歯みがきステップフッ化物利用チャート」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamakodaira/shikahoken/shikahoken.files/hamigaki1.pdf,2020年10月23日最終閲覧)
- 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」(http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq02.html#faq_b0101,2020年10月23日最終閲覧)
歯磨き嫌いの赤ちゃんへの対処法
何度もチャレンジしてみたものの、赤ちゃんが嫌がってしまいどうしてもうまくいかないこともありますよね。歯磨きができない日が続くと「むし歯が増えてしまうのでは?」と不安になり、親としては焦ってしまうものです。
そんな歯磨き嫌いの子どもへの対処法としては、好きなキャラクターの歯ブラシを用意したり、好きなお歌を歌ったりして、「歯磨きは楽しい時間」だと思わせることが大切です。好きなおもちゃやぬいぐるみなどを近くに置いて、遊びながら歯磨きに挑戦してみるのもおすすめです。
赤ちゃんが嫌がっても、決して怒らずに優しく話しかけることを心がけましょう。親が歯磨きをする姿をみせて、興味をひくのも1つの方法です。そして、歯磨きができたときはたくさんほめてあげましょう。
何度チャレンジしてもうまくいかない…。そんなときは、小児歯科に相談してみるのもよいかもしれません。小児歯科では、子どもの歯磨きの指導や歯の成長、口や顎の発達などの確認や適切な予防方法を教えてもらえますよ。
赤ちゃんと一緒に楽しい歯磨きの時間をつくりましょう
赤ちゃんが歯磨きを始める前の準備やタイミング、おすすめの歯磨きの仕方についてご紹介しました。子どもの歯が生え始めてから歯磨きを導入するのもよいですが、歯磨きに慣れさせるためにできれば歯が生え始める前から準備をしておくのが大切だということがわかりましたね。
赤ちゃんが興味を持ちそうなもので歯磨きに誘い、うまくいったらたくさんほめてあげることも必要です。少しずつ慣れていって、赤ちゃんと一緒に歯磨きを楽しい時間にできるとよいですね。