年長さんから勉強を始めるメリット
年長さんから勉強を始めることには、たくさんのメリットがあります。
小学校に通い始めてからの学習習慣が身につく
小学校にあがると、授業以外に自宅での宿題が出されるようになりますし、勉強が難しくなるにつれ予習復習も必要に。さらに中学校以上では受験や試験のための勉強もしなくてはならないので、幼いうちから自宅学習の習慣を身につけておきたいもの。
親に促されてしぶしぶ始めるのではなく、年長のうちから生活に学習が組み込まれていれば、必要に応じて自主的に勉強するようになるでしょう。
ゆとりを持って授業を受けられる
小学校の授業はクラス単位で行うため、授業中に理解が及ばない場合でもどんどん先に進んでしまいます。小学校へあがる前にひらがなや数字などに慣れておけば、授業も分かりやすくなりますし、自主的に先へと進みやすくなるでしょう。
授業の勉強が理解できるようになれば、宿題で苦労することも減っていき、そのぶん遊びやほかの習いごとに時間を使えるようになります。
友だちとのコミュニケーションが円滑になる
小学校での授業の理解度が深まると、自信にもつながります。勉強すると理解できるようになるとわかれば、より積極的に取り組むように。
また、勉強が分からないクラスメイトに教えてあげたり、質問されたりすることによって、友だちとコミュニケーションが取りやすくなるというメリットも。
将来的に中学受験がしやすくなる
年長さんから勉強を始めておくと、将来的に「中学受験をしようかな?」と考えたとき有利になります。
中学受験をするためには、小学校6年生のころから受験勉強を始めなければなりません。つまり5年生までに小学校での学習を終わらせておく必要があるのです。
そのため年長さんから先取りして勉強をしておけば、小学校の学習を早めに終わらせられる可能性が高まり、有利な状態で中学受験へ望めるようになります。
学習した内容が定着しやすくなる
学習で大切なことの一つに、予習と復習がありますよね。年長さんのころにドリルやプリントなどで小学校の勉強をしておくことは、小学校学習の予習となります。そして小学校での授業は、家庭で学習した内容の復習に。
小学校入学前に勉強をしておくことで自然と予習や復習ができるので、学ぶ内容が定着しやすくなることも大きなメリットでしょう。
心のゆとりを持って授業を受けられるのに、学習内容は定着しやすくなるため子どもにとっても良い効果をもたらすはずです。
年長で国語の勉強はどこまでやる?
具体的に、年長さんがやっておきたい国語の勉強の目安についてご説明します。
ひらがなは読めるようになっておいたほうがよい
国語の初歩としてひらがなを習い始めるのは小学校に上がってからですが、年長さんのなかには小学校前にひらがなが読めるようになっている子もいます。
幼稚園や親が直接教えていなくても、生活の中にある文字を見て自然と読めるようになることもありますが、書くことは教わらないとなかなか身につかないもの。
ひらがなが読めるようになれば、自分で絵本を読んだり勉強したりすることもできるので、書けなくても読めるようになっていれば安心ですね。
音読や話し言葉もスムーズに
国語の勉強は文字の読み書きだけではありません。授業では教科書や作文を音読することも増えてきます。教室でみんなに聞こえるように本を読むのは緊張してしまい、普段なら読める言葉がつっかえてしまうことも。
そこで、ご家庭でも親子でていねいな話し言葉で会話をしたり、絵本を読み聞かせしたりして、文章を読む力をつけてあげるのも学習の一つといえるでしょう。
音読は本を読む機会がないとなかなか上達しないので、ひらがなが読めるようになったら子ども一人でも読めるように本を与えてみてください。
自分の名前は書けるようにしたい
文字を書くには、きちんとした書き順や書き方を知っておく必要があるので、自然と書けるようになることは少ないでしょう。
小学校では、ひらがなの書き順から教えてくれるので、無理に年長さんのうちに書けるようになる必要はありません。ただ、自分の名前のひらがなを知っておくことも大切なので、ひらがなで名前を書く練習はしておいたほうがよいでしょう。
漢字は覚えたほうがよい?
漢字は小学校1年でも後半で習い始めるので、年長のうちから覚えさせる必要はありません。子どもが興味を持ち始めていたら、簡単な漢字を教えてあげてもいいかもしれませんが、あくまでも無理強いはしないようにしましょう。
鉛筆の持ち方や線の引き方をしっかりと
文字の書き方を覚える前に、正しい鉛筆の持ち方や線の引き方を覚えるのが先決といえます。
自己流だと変にくせがついて直しにくくなることもあるので、3本の指でしっかり鉛筆が持てるかどうか、まっすぐ線が引けて円が描けるかどうかなどを見てあげてください。
- 文部科学省「小学校学習指導要領 国語編」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_002.pdf,2022年6月1日最終閲覧)
年長で算数の勉強はどこまでやる?
苦手意識を持つ子どももいる算数。年長さんがやっておきたい算数の勉強の目安はどこまででしょうか。
1から100まで数えられると算数の勉強が楽になる
算数の基本である数字。特に勉強していなくても、幼児のうちから生活で数字に触れることは多いので、少ない数字なら自然と数えられるようになるでしょう。
小学校に上がるために勉強としては、1から100まで数えられると算数の勉強が楽になります。
小学校1年生の授業では、1から10までの数を書けるようになるという目標があるので、10までの数え方と書き方がマスターできていれば、授業の理解度はぐっと高まるでしょう。
簡単な足し算や引き算ができるといい
小学校1年生の授業では、前半に10までの足し算・引き算を習うので、計算式は書けなくてもお菓子などを用いて、生活の中で足し算・引き算の概念を覚えておくと安心です。
1年生の後半では、繰り上がりのある計算も習うようになりますが、計算のやり方などは時代によっても変わることがあるので、親世代のやり方を教えると授業で混乱する可能性もあります。
計算式を覚えるなら、時代に合わせたドリルや教本などを使用したほうがいいでしょう。
時計の見方は覚えておきたい
算数の授業では、時計の読み方についても習うようになります。年長さんの時点で、「何時半」「何分間」などの複雑な読み方を覚えておく必要はありませんが、大体何時になるか時計を見て判断できると、学習もしやすくなります。
たとえば、「短い針が7を指したら起きる時間」「長い針と短い針の両方がてっぺんを指したらお昼」などのように、時計を見て時間の進みを理解できると十分と言えます。
数字が読めるなら、短い針が指している数字が「何時」と読めるようにもなりますね。
問題文を理解して数字を書けるようになる
算数は数字だけを扱うのではなく、問題文を読んで考えることもできなくてはなりません。数字とあわせて「+」や「-」の記号も覚えるようにしたり、問題文の文章を理解できる国語力を鍛えたりといった勉強も必要になるでしょう。
また、数字そのものは比較的単純な形ではありますが、書こうとすると単純な形ゆえに書き分けが難しくなるので、正確に数字を書く練習もしておいたほうがいいでしょう。
特に、1と7は書き方によっては混同されやすいですし、6と9は上下が違うと逆になってしまうので、しっかり区別して書けるようになると安心です。
- 文部科学省「小学校学習指導要領 算数編」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_004.pdf,2022年6月1日最終閲覧)
数の合成・分解の感覚に慣れる
数字や時計の読み方がわかったら、数の合成や分解の感覚に慣れておくと、小学校での勉強がとてもスムーズになります。
数の合成・分解とは、5と10がどのような数字で合成されているか、分解されるかということです。たとえば5であれば「0と5」「1と4」「2と3」などで、10なら「1と9」「2と8」…などの数で作られていますよね。
先に解説した足し算・引き算でも数の合成と分解の感覚ができていれば、頭の中でイメージしながらできるようになるので、お菓子などで数の合成・分解の感覚を養いましょう。
子どもが楽しく勉強に取り組むためのポイント
年長さんが飽きずに楽しく勉強に取り組むためのポイントをご紹介します。
知育玩具(がんぐ)やおもちゃで楽しく勉強
年長さんのうちから勉強を始めることは、習慣づけのために大変有効ですが、勉強が嫌なものと感じてしまうと逆効果です。そのため、最初の勉強は知育玩具(がんぐ)やおもちゃを使って楽しく始めることをおすすめします。
たとえば、ひらがなや数字を覚えさせるなら、ひらがなが書かれたブロックや積み木、数字を使ったパズルなどで遊んでいると自然と覚えていきます。
ひらがなを覚えたらかるたで遊んで熟語を学ぶ、時計のおもちゃで時間を学ぶなど、レベルアップさせていくことも可能です。
ドリルやプリントで勉強する楽しさを教える
ドリルやプリントは、それぞれの年齢に合わせた教材として利用されています。年長さん向けのものはイラストが多く楽しい内容になっており、無理のない範囲で少しずつ進めていくことができます。
シールやおまけがついているものも多く、1枚できたごほうびとしてシールを貼るなど、達成感を与えていけば、勉強は楽しいものというイメージがついて続けやすくなるでしょう。
アプリやタブレットでゲーム感覚の勉強も
最近では小さいころからアプリやタブレットに慣れ親しんでいる子どももたくさんいて、紙ベースでの勉強より使いやすく感じることもあるでしょう。
勉強用のアプリも数多くあり、ゲームをするように学んでいけるので、「勉強しないといけない」という義務感からではなく、楽しみながら自主的に始めるようになります。子どもの学習に役立つアプリを選んであげてください。
勉強時間は無理のない範囲で
年長さんから始める勉強は、小学校にあがってからも自宅で学習するための習慣づけという目的もあります。そのため、無理に長時間続けるよりは、毎日短時間でも机に向かうことが重要になります。
子どもの成長のためには遊びや睡眠時間も必要なので、勉強でほかのことの時間が短くならないよう、無理のない範囲でできることから始めてみてください。
子どもが関心を示すもので勉強をする
知育玩具(がんぐ)・ドリル・プリント・アプリ…と、子どもが楽しく勉強に取り組むための方法を解説しましたが、年長さんにおすすめなのは、やはり子ども自身が関心を持っているもので勉強をさせることです。
パパママが「知育玩具(がんぐ)なら楽しく勉強できそう」と思っても、子ども自身はプリントのほうに興味を示すかもしれません。
無料でお試しできる教材やアプリもありますから、いくつか試してみて、子どもが関心を示すものを見つけると勉強がはかどるでしょう。
年長の勉強におすすめの幼児教育教材
年長さんの勉強には、いったいどのような教材がおすすめなのでしょうか?子どもが楽しく学べるおすすめの幼児教育教材を五つ紹介しますので、教材選びに迷っているパパママはぜひ参考にしてくださいね。
ポピー式おうちでドリル 国語算数理科生活 自宅で学べる 全12冊セット
小学校1年生に必要な勉強に自宅で取り組める幼児教育教材セットです。
ドリル形式ですがカラフルなイラストがふんだんに使われていて、イラストを見ながら自然と学べるように工夫されているところがおすすめポイント。
ひらがな・カタカナ・時計の読み方から始まり、理科や生活科、文章題まで、小学校の勉強を広く学べます。
七田式 知力ドリル【 3歳 4歳 】 10冊セット
3~4歳用とされていますが、「もじ」「かず」「おかね」「せいかつ」など、年長さんで知っておきたいことが総合的に学べます。「そうぞう」や「みぎのう」などのドリルも含まれているので、右脳と左脳をバランスよく鍛えられる教材セットです。
ドリルには「ごほうびスタンプスペース」も設けられていて、子どものやる気がアップしそうですね。
絵でおぼえるかんじ 2~6さい その2 身近なものの漢字
ひらがなやカタカナは覚えて、「もっと文字を知りたい」と思う年長さんにおすすめの幼児教育教材です。食べ物など身近なものの漢字から覚えられるので、漢字を初めて勉強する年長さんにとってもわかりやすいでしょう。
イラストと反復練習により、自然と漢字が読めるようになる仕組みのドリルです。
クロキッズ
時計を読むのが苦手な年長さんの算数の勉強におすすめの時計です。直径60cmとサイズが大きく、3時間ごとに時間帯別のイメージに色分けされているので、視覚的に時計の読み方を覚えられるように工夫されているのが特徴。
タイプは2種類あり、24時間バージョンなら0~24時までの読み方の勉強に対応します。
電脳サーキット100
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電脳サーキット100は、小学校で取り入れられたプログラミングのための論理的な考え方が学べると人気が高まった知育玩具(がんぐ)です。説明書を見ながらパーツを組み立てると電子回路が完成するので、ブロック遊びのような感覚で思考力を養えます。
電子パーツはスナップ式なので危険がなく、パチっとはめるだけで回路が作れますよ。
年長さんの勉強は生活の中に取り入れよう
年長さんの勉強は、バリバリと問題をこなしていくというより、生活の中で遊びの延長から学んでいくといったイメージで、無理なく進めていくことをおすすめします。
まずは、今後の勉強の基礎となるひらがなや数字の読み方から始めてみましょう。